リアイベに行く踏ん切りがつかず、「楽しそうだなー」と思いつつも、今まで遠まきに指をくわえて見ていたインディーゲームの展示会『東京ゲームダンジョン』。
そんな筆者がようやっと重い腰を挙げて東京ゲームダンジョンに乗り込んだ。
めっちゃ楽しかった!!ので、この記憶が鮮明なうちに書いておきたい。
勢い重視でノリのままに書くので、粗は残るが、まあ読んでおくれ。
※注意※使用している写真は全て、予め主催者様に許可を頂いたうえで、個々のブース全ての出展者様にもご了承を得て撮影を行い、ぼかし加工を行ってアップロードしております。
東京ゲームダンジョンってなにさ?
詳細は主催者様の公式サイトを見て頂きたいのだが、ざっくりいうとインディーゲームの展示・試遊会だ。年4回開かれる?らしい。
国内のインディーゲーム開発者の皆様が作品をブースで展示されて、それをいち参加者としてその場で試遊することができる。
デベロッパーさんによっては、グッズを頒布されていたり、主演声優さんがゲストとしていらっしゃっていたりと、ゲームの試遊に留まらない濃い空間を楽しむことができる。
ゲームの試遊時間は大体5〜10分ほど。一つ一つのブースは長机一つと試遊プレイヤー用の椅子1〜2個にデベロッパーさん用の椅子が置いてある感じ。ブースによっては、グッズやタペストリーが飾り付けられていたりもする。
参考までに、入場料は一般チケットが1000円だった。
会場の雰囲気を教えてくれよ!
まず参加して気づくのが、とにかく参加者の層が広いこと。
ゲームの展示会なこともあり、確かに20~40代の男性が多めではあるが、女性グループやご年配の方、子連れの方に海外の方まで、本当に多様な方々が集まってきている。
実は参加前は、もっとアングラでギーグでストイックな、とんがった雰囲気を想像していたのだが、良い意味で期待を裏切られた。
実際には和やかで穏やかな雰囲気で、なんというか思った以上にファミリー向けな感じだった。
「あのゲームで遊びたい!」というお子さんの声も普通に聞こえてくるので、熱狂的ゲーマー空間というより、顔馴染みの近所の兄ちゃんが射的や金魚すくいの店番をやってる七夕の縁日の、アクティビティが自作ゲームに置き換わった感じという表現がしっくりくると思う。
会場の人数も、人いきれや移動がしんどいほど人がミチミチに詰まっているというほどではなく、かといって閑散としてガランとしているというわけでもなく、ほどよい具合だった。
警備員さんやスタッフの方も大勢常駐されているので、安心して楽しめる空間だったのも大きい。
試遊させて頂いたゲーム
では、このレポの目玉!実際に遊ばせて頂いたゲームを書いていこう。
STREAM STRATOS

寒色で統一された、スタイリッシュなSF的世界観でのシューティングアクション。
「バリアで敵の攻撃を吸収して、自分の攻撃のためのエネルギーをチャージする」という要素が特徴的。バリアで防げない攻撃もあって回避が必要。バリア可能かどうかは、攻撃のエフェクトの色(緑か赤か)を判別すればいいので、直感的に理解できるようになっている。
操作感がとにかく軽快で、気持ちよく攻撃を躱しつつ、チャージして攻撃を当てていくのが楽しかった!
‥‥‥敵が強くてやられてしまったが。
作者様曰く、「試遊でガッツリ遊べるように、けっこう強めに調整してあります」とのことだった。
いいね。ナイスな心意気だ。
作者様がとても気さくな方で、ゲームの持つ孤高のハイセンス感と、いい意味でのギャップがあるのも印象的だった。
ざこのあひる

ゲムダン特設ページを見た瞬間から気になっていた作品。
あひるをジャンプと左右キーで移動させて頂上を目指す、一時期ネットミームと化した「壺おじさん」系のゲームなのだが‥‥‥なんとこのゲームでは、画面隅のメスガキに罵られながらプレイするのだ。しかもフルボイス。オイオイオイ、最高かよ。
罵声のバリエーションがやたらに豊富で、その場で作者様に伺ったところ「ランダム発言でも200種以上あり、シチュエーションごとの特殊ボイスも用意されている」とのこと。最高かよ。
なかなか上まで登れないイライラを、メスガキがこれでもかと煽り散らかしてくるので、試遊を終えた時に言いしれぬ満足感に包まれていた。最高かよ。
One Song, One Life

地雷系少女のスミレちゃんをネットアイドルとして成功させよう!!という趣旨の音ゲー。
特徴的なのは一部のノーツに選択肢が仕込まれている点で、これによりシナリオや楽曲が変化していくというADV的な要素が組み込まれた作品。
だが、筆者の音ゲーの研鑽が足りず、スミレちゃんは夢破れ破滅の道をひた走ることになってしまった‥‥‥
バッドエンドがガッツリバッドなので、そういうのが苦手な方は注意がいるかも。
楽曲はダークでダウナーな感じで、イラストも併せて世界観に惹きこまれる作品だった。
人のいない世界に

もらいでーで拝見した時から気になっていた作品。
人が滅んだあとの世界で目覚めた自律型コンピューターとして世界を探索し、コンピューターには理解できない『愛』の意味を探していく‥‥‥とだけ書くとお堅い印象を受けるかもしれないが、実際には基本のトーンを崩さない程度になんJ語やらなんやら色々なネットミームが散りばめられており、ギャグで笑わせた後にマジのトーンに入る緩急が素晴らしかった。
徹底して無機質な環境音と物静かなBGMと暖色を多く取り入れた優しいドット絵のコントラストに、先述の哲学的テーマとお馬鹿なノリが合わさり、独自の世界観を構築している。開発者様の作家性を強く感じる一品。
Delve Survivors

制限ターン内にダンジョン最奥を目指す、ランダムな装備・スキルビルド要素のあるローグライク。モード変更次第でローグライトとしても遊べる。
変化球を投げずにシンプルにド直球のゲーム性で勝負してくるタイプのストロングスタイルなゲームで、デモプレイなのにガッツリ遊べて満足。純粋なゲーム性に精魂を込められているのが伝わってきて、「ゲームとしての面白さ」を短い時間でも純粋に楽しめた。
試遊直前にまさかの機材トラブルに見舞われたのだが、作者様たちが滅茶苦茶フレンドリーな方たちで、一秒もこちらを退屈させまいと終始気さくに対応して下さったのが印象的だった。
IL13-Sonya E-Links

アンドロイド娘を操作して戦う2Dアクション。
このゲーム、操作感へのこだわりが尋常ではなく、ジャンプ長押しでブースターを吹かして大ジャンプする時の「ゆっくりした始動→急激な移動」の加速度やジャスト回避からのカウンター、武器のエネルギー補給も兼ねたフィニッシュムーブなど、動画で見る以上に実際に動かした時の満足感が高い作りとなっている。
それらの「気持ちのいい動き」が設計としても「リソース獲得の上で有利な行動」となっていて、有利になるために気持ちのいい動きをする→気持ちいい動きをするとさらに有利になっていく→‥‥‥という循環が生まれる構造が素晴らしく、かなり熱中して試遊させて頂いた。
BRUTE FORCE

3Dのベルトスクロールアクション。90年代のアーケードゲームをインスパイアされているとのこと。
特徴的なのは、最近のアクションゲームではお馴染みの感のある回避アクションが存在せず、相手の行動パターンを読んでの位置避けや、コンボをあえて途中までで止めて安全圏を確保するなど、戦術的な判断の比重が大きい作りとなっている。
そのため、反射神経というよりは自分なりのパターン構築を詰めて戦うタイプのアクションで、個人的にはかなり好き。
NON ETERNALS

ゲーム制作者の闇から生まれるモンスターを倒そう!という感じの、メタい要素を取り入れたRPG。
ゲーム制作に触れたことのある方ならピンとくる、『エターナる』(作品が永遠に完成せず、お蔵入りとなること)というワードをタイトルに仕込むって勇気があるな‥‥‥と思って気になっていた。
基本的にはオーソドックスな、リアルタイム寄りのコマンド選択RPG。
ゲーム制作を題材にした作品ならではの要素として、ゲーム画面上のUI位置を編集し、その位置を組み合わせることでスキルの効果が上昇するというパズル的要素が組み込まれている。そのおかげで、戦力の最適化を図るととんでもない位置にHPバーや敵の名前が出現したりしてカオスなことになる。「自分でUIをアレコレ試す」というゲーム制作の要素を、戦闘を左右する要素に転換しているのが面白かった。
それと、モデリングの頭身が個人的に滅茶苦茶ツボ。このくらいの三頭身デフォルメいいよね。と十年くらい言っている。
ウェアヒューマン

今回お邪魔させて頂いた作品たちの中でも、ブッチぎりでヤベェやつ。
ストアページの紹介文を引用させて頂くと、
大津波、炎の巨人、地割れ──世界を終わらせる“破滅の予言”が囁かれる現代。 予言を知る少年シュカは、仲間たちと共に予言の破壊を目指す。 https://store.steampowered.com/app/1973160/Warehuman/
うん。間違ってないけどさ‥‥‥確かに1ミリも間違ってないけどさぁ!!!
イラストの画風やキャラデザの方向性、設定の文章から、
ほう……厨二ダークファンタジーなオサレ路線ですか。なるほどなるほど。これは興味深い。
と思ったそこの貴方。貴方は私と同じ過ちを犯している。
この作品はシリアスの皮をかぶった、怒涛のハイテンポギャグと色々心配になるレベルの啓蒙の高さ、これでもかとエッジの効いたプレイヤーの深層心理を開拓していく問題作なのだ。いや、本当にいいんですか、作者様?
一応ワタクシも、クリーンで安全安心路線で文章を書いてるので、この作品については相当諸々を削ぎ落して描写しないといけない。
察してくれ。頼む。
で、肝心のゲーム内容はというと、アドベンチャーとしてのシナリオにカードゲーム要素のある戦闘(おそらくはFGOオマージュ)が組み合わさった、ベーシックなものだ。ゲームとしては。
いや、マジでシナリオが面白すぎて、時々笑いが決壊しながら試遊していた。
試遊後に作者様が
私は何も悪くないんです。全てはプレイヤーのためなんです。
と、澄んだ瞳でお話しされていたのが、ひどく印象的だった。
とりあえず、皆も主人公のシュカちゃんと筋肉モリモリ生真面目系犬男のフィッツジェラルドさんを推そう。
ダンジョンデストロイヤー

最後の作品はこちら。ドワーフちゃんが的に倒されずに階段まで辿り着けるように、進行ルートづくりをして導いてあげるゲームだ。
何がすごいって、試遊前に作者様から
遊んでみて、このゲームのジャンルがなんだと思うか聞いてみたいです。
というお言葉が飛び出たのに目が点になった。
で、実際に遊ぶと本当に既存のジャンル分けの枠を超えている作品だった。
ドワーフちゃんにはHPや攻撃力と言ったパラメータが存在し、敵キャラもいるので一見RPGっぽくはあるのだが、戦闘は完全に自動で進むうえに戦闘ロジックの指定といった要素もない。
やることは進行ルートを定義するため、ダンジョンを壊したり壁を生やしたりするだけである。
そうなのだが、いかにしてドワーフちゃんを安全、かつ有用アイテムをたくさん入手できるルートに進ませるか?という試行錯誤がハチャメチャに面白く、頭を悩ませながらルートがハマった時の快感がえげつない。
というわけで、筆者としてはこのゲームは広義のパズルゲームだと思われる。
やったことはないけど、パックマンとかこういうゲーム性なのかな?とか思ったりもする。
と言った感じで、試遊させて頂いたゲーム達でした!!
一般参加を考えている方へのメモ
- 譲り合いとリスペクト大事。お互いにマナーは守ろう。
- 会場直ぐ側に飲み物の自販機はあるが、中盤くらいで売り切れてしまうので、早めに確保するか事前に買って持っていくと◎
- 会場内の休憩スペースは蓋付きの飲み物ならオーケー。食べ物は☓。食事は事前に済ませていこう。
- 気になる作品・作者様は事前にリストアップしておくと、当日スムーズに回れる。今回は会期前にSteamで販売作品の告知があったので、それを片っ端からウィッシュリストに入れつつ紙のメモにもタイトル名を書いておいて正解だった。
- 写真撮影は出展者様の許可を得てから。
- 主催者様からのメールより、『現場の動画配信は事前に申請して許可が下りた場合のみ』とのことなので、ご注意をば。
終わりに
いやぁ、マジで楽しかった!!
Xでも呟いたが、普段は遠い存在のゲーム開発者様と直接やり取りできたり、ゲーム好きの参加者の皆様の熱気を肌で感じられたのが、個人的にはとても嬉しかった。
本当はもっともっと見て回りたかったのだが、残念ながら時間の関係で開始直後から閉会まで遊び倒してもこれだけ回るのが限度だった‥‥‥。無念。
改めて運営に携わられた皆様、日々開発を続けていらっしゃる出展者の皆様、場を共有した参加者の皆様、ありがとうございました!
製作者の皆さま、陰ながら応援しとりますゆえ!!無理のないよう制作されてください!
ではでは、よきゲーマーライフを!
最後までお読み頂き、ありがとうございました!!
インディーゲームをひたすらクリアしては、レビューをモリモリ書いていく企画としてIndieGame100というのをやっとります!ご興味のある方は是非!

