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以前の記事で紹介した、GM無しのソロ特化TRPGであるIronswornのリプレイを書いてみる。

『興味が湧いたけど、実際にどうプレイすればいいか分かんないよ!!』

という方の参考になれば幸い。

今回は、第00回としてキャラメイク・ワールドメイクを実際にやってみる。

入門用ということで、発展的なルールは使わずに進めるので、安心して欲しい。

ルールはこちらの”Ironsworn Digital Edition Rulebook“からダウンロードできる。

onlookerさんが、ルールサマリ―とアセット一覧の翻訳を有志翻訳なさっており、すぐに遊べるココフォリア部屋のデータまで無償配布されている。(紹介に際し、onlookerさんご本人の許可は頂いています。)

ココフォリア部屋の上部の白いエリアがルールサマリ―、その下にあるボタン類が翻訳済みのオラクル(いわゆるランダム表)を自動で生成してくれる。

英語が苦手でも、このココフォリア部屋を使えばお手軽に遊べるぞ!!!

キャラメイク・ワールドメイクの流れ

キャラメイク・ワールドメイクは以下の流れで行う。

  1. どんな方向性のキャラにしたいかを決める。
  2. ステータスを割り振る。
  3. アセット(一般的なゲームで言うスキルのこと)を三つ習得する。
  4. 名前を決める。
  5. リソース類を初期化する。
  6. 世界観を設定する。
  7. ゲームのスタート地域と拠点を決める。
  8. 来歴に基づく絆を三人分決める。
  9. 来歴に基づく誓いを一つ決める。
  10. キャンペーンの発端となる事件を決める。

ここまでが、一連の流れとなる。

実際のところ、設定する順番に厳密な取り決めは無い。

ルールブックでも、『イメージしやすいように決める順番を変えたり、同時並行で決めたり複数項目を行ったり来たりして決めてもいい。』というゆるい書きぶりなので、あんまり身構えなくていい。

あくまでこの順番はデフォルトのものという認識でOK。

とりあえず、このリプレイでは順番通りにキャラメイク・ワールドメイクをしてみる。

<1>どんな方向性のキャラにしたいか決める

まずは、とにかくキャラのコンセプトを決めないことには始まらない。

Ironswornは「過酷な大地で、誓いを胸に冒険する」TRPGなので、一般的な中世風TRPGでいう冒険者のキャラを想像してもらえば、だいたい大丈夫だ。

今回は、筆者がアイコンとして使っているアバターキャラで冒険することにする。

Ironsworn,アバター

趣味が完全にダダ洩れなキャラだが、まあ、その……気にするな!!いいね!!!

イメージとしては

  • 本好き。
  • 魔法の見習い。
  • 護身術程度には剣も使うが、ぶっちゃけそんなに強くない。

くらいのコンセプトでいく。詳細は後で肉付けすることにする。


注意点として、Ironswornにはビームを撃ったり傷を癒したりする魔法はデフォルト設定では存在しない。

バニラ環境のIronsworn世界の魔法は、予知や降霊術、幻惑魔法や結界術などの補助的な魔法が主体だ。

攻撃に使える魔法は、LIGHTBEARERという邪悪な存在にだけ効果のある魔法のみとなっている。

(有料コンテンツではあるが、Ironswornの後継作であるStarforgedには、炎やサイコキネシスを攻撃に使える魔法がある。興味のある方はチェックしてみてもいいだろう。)

<2>ステータスを割り振る

ここからは、キャラクターシートに書き込みながら進めていく。

ビルドを迷って書いたり消したりを繰り返すことになるので、消せる筆記用具を使うか、電子媒体に記録することを推奨する

標準ルールでは、プレイヤーキャラは次の五つの能力に3,2,2,1,1を任意に割り振る。(数値が高いほど優れている)

  • Edge  素早さ・身のこなしの軽さ・動作の精密さ ゲーム的に大事なところとしては、遠距離攻撃の命中判定に使う。
  • Heart  精神力・勇気・社交性 ゲーム的には交渉・説得や心理的ストレスへの耐性、村への滞在での回復成功率に関わる。Heartを参照するタイプの魔法もそれなりにあり、召喚魔法や降霊術など、命に係わる魔法が多い。
  • Iron   力強さ・頑丈さ・勢いの強さ ゲーム的によく使うのは近接攻撃の命中判定や肉体ダメージへの耐性、自分の傷を治癒する判定など。一種類だけだが、Ironを参照する戦闘用のバフ呪文もある。
  • Shadow 嘘のうまさ・隠密能力・トリックの巧妙さ ゲーム的に「Shadowしか使えない判定」は存在しないものの、その代わりアセット(スキル)に強力なものや汎用性の高いもの、相互にシナジーを生むものが多い。Shadowを参照する魔法は遠視と隠れ身の魔法の二種類。
  • Wits   観察力・専門知識・洞察力 ゲーム的にはいかにも知力が役立ちそうな情報収集だけでなく、安全に旅ができるかの判定、ケガの治療に野山での水や食料確保など、サバイバル方面で役立つ判定を多数持つ。魔法の半分くらいはWitsを参照して成功判定をするので、魔法使いに向いた能力と言える。

能力値によって判定成功率がどのくらい上下するかについて、Pythonでコードを書いて100万回ずつシミュレーションした記事を書いたので、気になる方はチェックしてみて欲しい。

今回のキャラでは、本好きかつ魔法を使う予定なのでWitsは3にしたい。

護身術程度の剣技の嗜みはあるのでIronを2にしておく。

2を割り振るもう一つの能力は、せっかくだから魔法のバリエーションを増やせるHeartにする。

というわけで、ステータスはEdge1, Heart2, Iron2, Shadow1, Wits3。

のろまで融通の利かない魔法剣士といった感じだろうか。

<3>アセットを三つ習得する

アセットはカード形式で印刷できるようにして配布されている

この中から、気に入った三枚を選ぼう。

アセットカード内の黒い丸がついているものが初期習得可能な能力だ。

残り二つの白丸は、経験値を貯めてアセットをアップグレードする時に追加習得が可能になる。

三つとも全て白丸になっているアセットは、どれか一つの能力を任意で初期習得できる。

参考までに、アセットの分類は

  • Companions……鷹や猟犬、ワイバーンにマンモスなど、冒険のお供を表すアセット。KINDREDという、人間の相棒を表すアセットもあるので、頼れるバディと共に冒険することもできる。
  • Path ……生まれや経験、職業、専門技能を表すアセット。薬草師にダンサーにモンスタースレイヤーなど盛りだくさん。COMMANDERという、仲間を率いている状態を表すアセットもあるので、これを使えばソロでも疑似的なパーティープレイがお手軽に実現できる。
  • Combat Talents ……武器や防具を扱う能力を表すアセット。剣に弓に斧に槍にハンマーに投石に素手格闘まで。二刀流や盾、重装備や軽装備といった装備スタイルを表すものもあり、いずれも戦闘力に直結するアセット。
  • Ritual ……日本だと馴染みの無い英単語だが、要は魔法のこと。すでに触れたので、詳細は割愛。

の四つとなっている。

全部の能力を把握しようとすると結構大変。自力で翻訳をちゃんとやろうとすると結構な労力になるので、おすすめのアセットの決め方を三つ紹介する。

  1. 冒頭で紹介したonlookerさんのIronswornを遊べるココフォリア – onlooker – BOOTHの概要欄には、アセットリストを翻訳したスプレッドシートへのリンクが用意されている。これなら、日本語でアセットの内容を一通り全て読むことができる。
  2. カードのアイコンで選ぶ ……シンプルに「斧が使いたいから、斧アイコンのアセットを選ぶ!」「錬金術師になりたいから、フラスコが書いてあるアセットを選ぶ!」「竜と冒険したいから竜のアイコンを選ぶ!」というふうに、アイコンで選ぶ方法。Ironswornのアセットは非常に素直で、割とイメージそのままの能力を持っているので、フィーリングで選んでも特に問題は無い。
  3. 得意なステータスで選ぶ ……アセットの中には、「roll + ●●」の形で参照するステータスが明記されているものがある。例えば「roll + iron」とあれば、そのアセットはIronを参照する。(ステータスの表記が、アセットカードは小文字表記で、キャラクターシートは大文字表記となっているが、気にしなくていい。) 得意なステータスを参照するアセットは、それだけ活躍の機会も増えて、使っているうちに愛着がわいてくる。

今回はこの三つのアセットを選んでみた。

それぞれの効果をかいつまんで説明する。

OWL (フクロウ)

白丸三つの中から一つ選べるタイプのアセットなので、中段の「魔法使用時にフクロウの秘密の知識を借りる時、判定にプラス修正、もしくは判定成功時にモメンタムを1獲得のどちらかを選ぶ」を選択。

魔法使いのお供とも言えるコンパニオン。

一人旅だとリプレイが寂しくなりそうだったので、旅の仲間として選択。賢いフクロウなので、人の言葉を喋ることができることにする。

名前は”Grandpa”をもじって”Gran”。主人公は親しみを込めて「じっちゃん」と呼ぶ。

グラン,Gran,じっちゃん

INVOKE (発現)

日本だとあんまり聞かない英単語だし、なんなら名前から効果がイメージしづらいアセットでもある。

効果としては「Witsを参照して神秘のパワーをチャージする。チャージしたパワーを消費してちょっとした神秘的な効果や幻を作り出し、チャージ量を素のステータスに代用して判定できる。代用した判定に成功するとモメンタムを1獲得する。チャージの際にウィークヒットを出してしまうと、精神的ダメージとしてSpirit(精神力)を2点失う。」

要はちょっとした幻を作り出す魔法だ。幻の利用がうまく行けば、リソースの回復までできる代わりに、パワーのチャージに結構大きめのリスクが伴っている形となっている。ちなみに、Spiritの最大値は5で、ゼロになると廃人となってキャラロストするリスクすらあるため、2点のSpiritダメージは相当厳しい

幻の種類や強度・持続時間については何も記載が無いので、プレイヤー裁量で「その場しのぎの音・光・匂いを短時間だけ作り出せる」「触覚は作り出せず、触ろうとしたらすり抜けてしまう」くらいにふわっと設定しておく。

このアセットに限らず、魔法系のアセットはプレイヤーの裁量に依存するものが多いので、お好みで調整して欲しい。

LOREKEEPER (伝承蒐集家)

本好きな部分を表すために取得したアセット。

効果としては「神秘の蔵書を保有している。Secure an Advantage(有利な状況を確保する行動全般)の判定とGather Information(情報収集)の判定を伝承の研究成果を用いて判定する時にプラス修正。数時間にわたって蔵書を調査できるなら修正量が増加。判定に成功したら、ぼんやりしているものの有益な知識を描写し(思いつかない時はオラクルに尋ねること)、モメンタムを1獲得する。」

要は「聞いたことがある!!伝承によれば●●らしい!!」というトンチキな発言で状況を打開できるという、ロールプレイ的に非常に素晴らしいアセット。伝承の内容を思いつかない時はオラクルを使ってその場ででっち上げて、無理やりこじつける形でトンデモ理論なり謎のことわざなりをねじ込むことができ、プレイバリューが高い。

何気に成功確率のブースト効果と成功時のリソース獲得効果を両取りできるため、ネタっぽい見た目に反してガチ性能だったりもする。

<4>名前を決める

名前は任意で決めてもいいし、オラクルで決めてもいい。

ルールブックには名前オラクルがある。せっかくなのでこれを使う。

ルールブックのp184~p185に一般的な名前オラクルが、p186にエルフの名前のオラクル、p187に巨人・ベイロウ(狼の獣人。いわゆるワーウルフ。)・トロールの名前のオラクルがある。好きなものを選んで、1d100で決めよう。

振り直し回数や数値の読み替えルールもオプションルールとして一応存在するが、「採用してもいいし、採用しなくてもいい」くらいの緩いルールだ。

ちなみに、アイアンランドには苗字の概念も男性名・女性名の概念もないので、そこのところは気にしなくていい。

とりあえず、シンプルに人間の名前でオラクルを振ってみる。

1d100 → 28

KiahもしくはSayer

Kiahの響きが何となく気に入ったので、これに決定する。

というわけで、この子はこれからキーアだ。

キーア

っつーわけで、じっちゃんともども宜しくな!!

じっちゃん

騒がしい奴じゃが、大目に見ておくれ。

<5>リソース類を初期化する

キャラクターシートの該当欄に、後で書いたり消したりできるようにして印をつけていく。

  • 右列のHEALT, SPIRIT, SUPPLYの+5に印をつける。
  • 左列のMOMENTUM欄は+2に印をつける。
  • 左列下段のMAX欄は10,RESET欄は2を記入する。

やることはこれだけだ。

<6>世界観を設定する

世界観を作るためのシートを使い、世界観を決定する。

それぞれの項目について、三択の中から一つを選ぶか、自分オリジナルの設定を思いのままに空欄部分に書き込むかしよう。ルールブックでは、お気に入りのゲームや映画などの設定を拝借して書き込むという遊び方も推奨されている。実在する歴史を書き込んで、歴史物としてプレイするという遊び方も、ルールブックではおすすめされている。

シートの文章量は結構長いので、AIなりなんなり使って翻訳してしまうのが楽。

三択の選択肢の下に書いてあるQuest Starterとは、それぞれの世界観で起きうるクエストの例だ。

後述のキャラの来歴に基づいた誓いを決める際や、導入となるクエストを決める際、あるいは単純に展開に詰まった時などに、世界観に基づいた事件を起こすことができて重宝する。

今回は三択の中から選んだうえで、若干の意訳をしてほんのり自分好みにカスタマイズした。

以下がその設定だ。

  • 旧世界で疫病が蔓延し、人々は逃げ場を求めて方々へと散った。その逃避行の末に発見された土地の一つがアイアンランドだった。
  • アイアンランドの気候は寒冷で厳しい。作物は碌に育たず、風雨と雪でほとんどの交通網は断絶されている。ある時、誰かが言った「こんなところに住めるのは、鉄でできたような奴だけだ」。その言葉が、『アイアンランド』という地名の由来となった。
  • アイアンランダ―やファーストボーン(エルフや巨人などの古代から住んでいる種族)よりも遥か前に、この地には何者かが住んでいた。彼らの遺跡はアイアンランドの至る所で見つかる。
  • この土地に住む人間は少ない。ほとんどの人間はめったに村の外とは関わりを持たず、よそ者は深い疑りの目で見られる。
  • それぞれのコミュニティの統治形態は多様だ。名家が支配している所もあれば、長老達の会議で村の意思決定がなされるところもある。僧侶が統治権を握るコミュニティや決闘の勝者が全てを決めるコミュニティもある。
  • アイアンランドの物資は乏しく、組織化された軍隊は維持が困難だ。コミュニティが危険にさらされれば、人々は自分たち自身で身を守るしかない。
  • 或る者は、秘術は赤子の将来を祝福し、豊作を祈願するものだと言う。或る者は、秘術の力を恐れて斥けようとする。だが、ほとんどの人々は今や失われた真の秘術の存在を信じている。
  • ごく少数のアイアンランダ―には、祈りの言葉を唱えたりちょっとした儀式をしたりする風習が残っている。しかし、とっくの昔に自分たちは神々に見捨てられたと考える人間が大多数を占めている。
  • ファーストボーンは自分たちの古くからの土地を守って、ひっそりと暮らしている。
  • ビースト(リヴァイアサンやバジリスクといった、動物と言うよりも幻獣と言った方がしっくりくる怪物たち)はアイアンランドを闊歩している。彼らは普段は縄張りの中にいるが、人々の居住地へと狩りをしにやって来ることもある。彼らに家畜のみならず人間まで襲われることも少なくない。
  • 暗い森や沼地の奥には、ホラーと呼ばれるアンデッドの類が徘徊している。真夜中にそんな場所を突っ切って進もうとするのは愚か者だけだ。

……と、結構な修羅の土地とあいなった。

全体的なテイスト的に、筆者がメイドインアビスが好きなこととは特に関係ない……はず。

<7>ゲームのスタート地域と拠点を決める

(1)スタート地域を決める

ルールブックp112~p121の中から、ゲームのスタート地域を決めよう。

これも、任意で決めてもいいしオラクルで決めてもいい。

せっかくなのでオラクルで決めることにする。

オラクルはp176のORACLE3:REGIONを参照すればいい。

1d100 → 81

Tempest Hillsに決定

というわけで、p119のTempest Hillsが冒険のスタート地点となる。

切り立った崖に小さな山々が点在し、丘の間を唸る風が吹き抜ける。

用心深い巨人たちが遠巻きに人々の集落を眺め、草原ではマンモスが草を食んでいる。

草地を求めて放牧民が家畜と共に旅をし、定住者たちは鉄鉱石の採掘を生業としている。

加工された鉄は、比較的豊かな南方のHavens地方へ売りに出される。

……そんな土地だ。

いい感じに牧歌的な感じと寒々しい感じが両立していて、冒険の始まりの土地としてナイスな感じだ。

(2)スタートする拠点を決める

次に、スタートする拠点を決める。

主人公はこの拠点で起こるなにがしかの事件に首を突っ込み、それをきっかけに長い旅路が始まることになる。

といっても、決めるべきことは拠点の名前くらいだ。詳細な拠点の設定は好きに味付けして欲しい。

とりあえず、別にこの時点で詳しく決めなくても、ゲームを回しているうちに勝手に設定がどんどん生えてくるので心配ないということは言っておく。

これもオラクルで決められるので、せっかくなので使う。

ルールブックp176~p180に、拠点の内容を決めるオラクルがある。(なお、これらのオラクルはスタートする拠点だけでなく、冒険の途中で立ち寄る村や土地を決めるのにも使える。)

まずはp176のORACLE:4LOCATIONを振ってみる。(海沿いの地域の場合は、ORACLE:5COASTAL WATER LOCATION を振ってもいい。)

1d100 → 88

Hill (丘)

続いてp177のORACLE:6 LOCATION DESCRIPTORで土地の様子を決める。

1d100 → 39

Big (巨大な)

というわけで、拠点はどうも巨大な丘にあるらしい。採掘が盛んなようだし、鉱山の一つだろうか?それとも遊牧民のキャンプだろうか?(まさか、巨人の縄張りのど真ん中ということはないよな?たぶん……)

次はこの土地の名前だ。

p178~p179のORACLE:7 SETTLEMENT NAMEでガッツリ名前を決めてもいいし、p180のORACLE:8 QUICK SETTLEMENT NAME GENERATORで簡易に決めてもいい。

今回はガッツリとORACLE:7 SETTLEMENT NAMEで決めることにする。

1d100 → 95

Something Else… (何か別のもの)

にわかに雲行きが怪しくなってきたが、面白そうなのでさらに振る。

1d100 → 56

ファーストボーンの種族名 (Elfbrookなど)

ファーストボーンって何がいたっけ?ということで、ルールブックのNPCが書かれているChapter5を見てみる。

p142からファーストボーンが色々載っていて、p143には地域の説明のところにも顔を出した巨人の解説がある。

どうも巨人たちは、物静かで内省的な、知能の高い生き物らしい。大きさは人間の二倍ほど(もっと大きな個体もいる)で、五年に一度の春に語り部が偉大な巨人の勇者の歌を歌うとのこと。

というわけで、「巨人が、何かをした」という故事に基づく地名ということにしてみよう。

こういう時に、アイディア出しのために使える汎用的なオラクルが、p174のORACLE:1 ACTIONとp175のORACLE2: THEMEだ。

それぞれ、動詞と目的語を表すオラクルになっている。

ということで、早速動詞(ACTION)のほうを振る。

1d100 → 30

FOCUS (集中)

ちょっとこれだけだと解釈しづらいか?

今度は目的語(THEME)を振ってみる。

1d100 → 19

Death (死)

いきなりパンチが効いてきた。

死に集中する場所……葬儀場か、墓場か、或いは瞑想のための場所か。

なんとなく「巨人の墓場 Giants Graveyard」と言う単語に、言い知れぬとっかかりを覚えた。

そういえば、この土地は巨大な丘だったな……

偉大な勇者の歌が歌い継がれていて、普通の個体よりももっと大きな個体もいる。

――ここで、思いついた。

もしかして偉大な勇者の巨人は他の巨人の何倍も大きくて、この丘自体がその勇者の遺骨に土や草が何年もかけて堆積してできたものなんじゃないか?

「巨人の骨でできた丘」とか、滅茶苦茶ファンタジーですやん。ええぞ!!ええぞ!!

ということで、キーアの住む拠点は『巨人の墓場 Giants Graveyard』という名前の、巨大な丘の一画にある集落ということにしよう。

そこで、周囲の巨人たちとつかず離れずの穏やかな暮らしを行っていたところ、不意の事件で冒険の旅に出ることになるわけだ。

キャラの設定が外堀から固まってきたところで次に行こう。

<8>来歴に基づく絆を決める

ここで、主人公が近しい仲の相手やコミュニティとの絆を三つ決定する。

経験上、お話を展開させるうえでは近しい相手がしっかり決まっている方が何かとやりやすい。

危険な洞窟から薬草を取って来るようなクエストをやるなら、主人公に相手を助けようとするだけの動機がある人物のほうがプレイにも身が入る。

また、ゲーム的な意味だと絆を結んでいる相手のところではSojourn(聞きなれない英単語だが、滞在のような意味)判定にボーナスが入り、スムーズに体力や精神力を回復したり、物資を補充したりできる。言わばRPG的には「気兼ねなく泊まれる宿屋」のような立ち位置になる。

というわけで、絆の対象を決めよう。

まず一人目はグランに対して絆を結ぶことにする。

宿泊先の枠が一枠埋まってしまうが……開始時点で気の置けない同行者がいる旅路にしたいので、ここは譲れない。

二つ目の絆は、帰るべき故郷として『巨人の墓場』自体に結ぼう。

さて、残る絆は一つ。

ここで、ちょっとキャラ設定を掘り下げてみる。

集落の人間からは「巨人には必要以上に近づくな」と言われて育ったキーアだったが、実は幼い頃から皆に秘密で交流のある巨人がいた、というのはどうだろう?

時々みんなの元を離れて、その巨人のところへとこっそり遊びに行っていたわけだ。

その巨人がらみで何らかのトラブルが起こり、巨人を助けようと行動したのが長い冒険のきっかけとなった……というのは、結構いい線いっているのではないか?

巨人の名前もp187のORACLE15: OTHER NAMESにオラクルがあるので、使うことにする。

1d100 → 77

Otaan

ということで、小さなころから集落を抜け出して遊びに行っていた巨人の名はオターンとする。

otaan,Ironsworn

頑固なようで、気さくなところもある……はず。たぶん。

せっかくなので、何をしている人なのかも決めよう。

p182のORACLE 10: CHARACTER ROLEでキャラクターの役割が、同じページのORACLE 11: CHARACTER GOALでキャラクターの目標・行動原理を決められる。振ろう。

CHARACTER ROLE

1d100 → 46

Adventurer (冒険者)

CHARACTER GOAL

1d100 → 31

家を見つける。

これは面白いことになった。

オターンは元冒険者で、引退した今は落ち着ける居場所を探している。

キーアは彼に昔の冒険の話をせがみに、幼少のころから何度も足を運んでいた。

いずれ、自分自身が冒険に出ることになるとも知らず……

というのは、いかにも出来すぎているくらいに出来すぎている。

あまりにも美味しいので、これをそのまま採用することにする。


ここまで決めたら、キャラクターシートに戻って、ステータス欄下の”BONDS”の項目に、三本の線を書く。

ここについてはプレイエイドや公式ツールキットを参照して欲しい。

この欄は、これまでの人生や冒険を通して、主人公が築いた絆の総数を示す。

一つ一つのマスは、四本の線が描かれた時(写真の場合は、右上から左下へと流れる直線を書いた時)に進捗度が一個分溜まったとみなされる。一個のマスを埋めたら一つ右のマスでも同じように線を書いていく。

Bondsの進捗が十分に溜まったと判断して、プレイヤーがWrite Your Epilogue(後日談を描く)ムーブを行うことを宣言した時――主人公は冒険を引退し、いわゆるエンディングが訪れる。

<9>来歴に基づく誓いを決める

さて、キャラメイクも終わりに近づいてきた。

主人公の来歴に基づく誓いを決めよう。

これは何年、何十年、場合によっては一生をかけて取り組むことになるクエストで、主人公の行動原理そのものを規定する。

これまで掘り下げた内容を見返してみると、どうもキーアは好奇心が人一倍強い性格のようだ。

それに加えて本好きで魔法の見習いときている。

世界観の設定ではあちこちに古代の遺跡が点在することになっていて、キーア自信はオターンの冒険譚を心待ちにしていた。

そんな彼女にとって、心の隙間となるような、欲求が溢れだす源は何かを考えてみる。

……彼女は他ならぬ自分自身の足で、古代の遺跡の謎を解き明かしたいのではないだろうか?

冒険の理由としても、純粋で強い動機として十分だ。

というわけで、来歴に基づく誓いは「古代の遺跡の謎を解き明かす」とする。

人一人に歴史の謎が全て解けるなんてのはあまりにも野放図なので、クエストのランクは最高ランクのEpicを設定する。

今回はいい具合に来歴に基づく誓いを思いつくことができたが、思いつかない時の助けになる要素として以下のものが用意されている。

  • ORACLE 11: CHARACTER GOALをそのまま使う。
  • 世界観の設定や開始地域の設定の際に触れた、Quest Starterに着想を得る。

気負わずに、直感を信じてみてほしい。

<10>キャンペーンの発端となる事件を決める

さあ、いよいよキャンペーン開始のための最後の準備だ。

全ての始まりとなる事件を決めよう。

ルールブックのアドバイスを借りるなら、「”主人公にとって”喫緊の問題で」「主人公が行動しなければ、事態が悪化する」事件が適している。

ここでもORACLE 11: CHARACTER GOALが有効な他、Quest Starterを使うのもいい。

絆の対象となる者が、病気になったり無実の罪を着せられたりして、それを解決するために行動する、というのも使いやすい。

また、p181にはORACLE 9: SETTLEMENT TROUBLEという、「居住地で起こりうる問題」をまとめたオラクルがあるので、これを導入のクエストにしてしまってもいい。

今回は、「巨人のオターン絡みでORACLE 9: SETTLEMENT TROUBLEのトラブルが起こり、それを解決するために行動する」というのを導入クエストにしてみる。

というわけで、ORACLE 9: SETTLEMENT TROUBLEを振る。

1d100 → 02

Outsiders rejected (よそ者が拒絶される)

ふむ……この場合のよそ者とは誰だ?

オターンか?キーアか?それとも完全に別の第三者を登場させるか???

ちょっと悩んだが、ここは素直に「厳冬で巨人の墓場近辺の食糧事情が厳しくなり、よそ者のオターンにまで食料を回す余裕がなくなった」としよう。

キーアは、これを見て何を考え、何をすることを決意するのか。

と言う場面から、実際のキャンペーンを始めてみよう。

ということで、キャラメイク・ワールドメイク編はここまで!!!

終わりに

いかがだっただろうか。

実際にキャンペーンの準備をしながら、ルールの補足説明も含め、そのままの思考過程を記事に書いてみた。

マイペースにちょぼちょぼとリプレイの続きを書いていくので、気が向いたときに読んでみて欲しい。

第一回のリプレイを書きました!!気になった方は是非ッ!!

というわけで、良きゲーマーライフを!!!

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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本記事は、TRPG『IronSworn』のルールを解説・引用し、必要に応じて翻訳や再構成を行っています。

IronSworn © Shawn Tomkin
本作品は Creative Commons Attribution 4.0 International
CC BY 4.0)ライセンスの下で公開されています。

原著公式サイト:https://www.ironswornrpg.com/

This work is based on Ironsworn (found at www.ironswornrpg.com), created by Shawn Tomkin, and licensed for our use under the Creative Commons Attribution 4.0 International License (https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/).