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インディーゲームをクリアしてはレビューを書く企画、IndieGame100の五作目は『ダンジョンデストロイヤー』を取り上げさせてもらうッッ!!

「面白いゲームがしたいヨォ!!」な、あなたに届け。届いて、お願い。届くかな?
それはさておき、このシリーズは『面白さを言語化する』ことに徹底的にこだわっている。
プレイヤーの方のみならず、自作の魅力をどう伝えるか悩んでいる開発者の方の参考にもなれば幸いだ。
……ちなみにこのゲーム、以前東京ゲームダンジョン10にお邪魔した際にブースで試遊させて頂いた、思い出のソフトでもある。
イベントレポートからは当時の感想も読めるので、気になる方はチェックされたい。
ってわけで、レビュー開始である!!デストロイである!
- 壁を作って破壊する。シンプルなシステムが生む密度の高い思考
- パズルに「リソース管理と強化」&「ランダム要素」が合わさることで生まれる、ローグライク的手触り
- 成長時やショップ画面、セーブ周りのUIがちょっぴり分かりづらいのが難点
ゲームの概要
ジャンル:パズル?RPG?
デベロッパー:TUKUCHAU-OJISAN
パブリッシャー:TUKUCHAU-OJISAN
開発国:日本
クリアまでのプレイ時間:約9時間
形式としては、ステージクリア型のパズル。
ダンジョンに壁を作り、壊してドワーフちゃんの進行ルートを作り、彼女をゴールまで導くとステージクリアとなるのを規定フロアぶん繰り返せば、その難易度はクリアだ。
敵を倒して経験値を得ることでドワーフちゃんはレベルアップし、ステータスを割り振って強化していく。
マップ中で拾えるアイテムやお金を適切に工面することで状況を打開していく、育成要素・リソース管理要素もあり、見た目以上に奥が深い。
普段パズルゲームを一切やらない筆者でもなんとかクリアできたので、難易度的には甘すぎず辛すぎず……だと思う。(パズル系のゲームをやらなさすぎて、基準がよく分からんのだ。許しておくれ。)
シンプル極まりなく、とっつきやすいシステムが生む奥深いゲーム性
このゲームのステージ攻略で行うことは、本当にシンプルだ。
- 壁を作る
- 壁を壊す
- 罠を破壊する
- アイテムを使う
これだけだ。
出来上がったルートに沿って、ドワーフちゃんが自動でダンジョンを進んでいき、アイテムやお金を拾い、敵と自動戦闘していく。
ステージクリア後には
- ステータス割り振り
- お金を使って能力獲得や強化
- 体力の回復
という、リソース管理要素があるが・・・・・・本当にこの表現だけで全ての要素をほぼ網羅してしまっているくらいにはシンプル。
だが、このゲームは作りがシンプルなぶん、思考にプレイヤーを没頭させることに全振りしている。
壁の生成・破壊に体力を消費するジレンマ
このゲームの中核となっている壁の生成・破壊には体力を消費する。
そのため、
- 「アイテムとお金を全部取ろうと思ったら、体力が残り1になって雑魚敵にやられる」
- 「体力を温存して壁をあまり操作しないようにしていたら、アイテムが拾えなくて戦力が先細り」
といったことが頻繁に起きる。
これによって、プレイヤーは常に
「このアイテムは体力を消費してでも取る価値のあるアイテムか?」
「体力を消費し、経験値の入手機会を失ってでも、今この敵と正面から戦うのは危険か?」
というジレンマに曝され続けることになる。
「リソース管理と強化要素」&「ランダム選択されるダンジョン」が生む、ローグライク的な手触り
このゲームでメイン要素としてやることは、壁の生成・破壊とパズルゲームそのものだ。
しかし、プレイ中には「レベルが低くて火力足りないな……」とか「次のフロアで盾が出ないことを前提に、被弾を抑えて進むか……」
と言った思考を常にすることになる。
「今プレイしているステージをどうクリアするか」だけでなく、「この後のステージでどう立ち回るか」というリソース管理と強化の判断が常に頭をよぎる。
ここに加わるのが、ステージ選択のランダム性だ。
ちゃんと検証したわけではないので詳細は不明だが、少なくとも「第〇ステージはこのマップ」という形で決まっておらず、ランダムにマップが選ばれているらしいことは分かった。
マップがランダムということは、そこで拾えるアイテムやコインにもランダム性があるということだ。
これが、解法に運要素を加えている。
「明らかな難関ステージだが、手元にちょうど杖(敵全体に先制攻撃する消費アイテム)があったから、余裕でクリアできた。」
「バフアイテムを使えば余裕でクリアできるのだが、次以降のステージでまたバフアイテムが都合よく出てくれる保証はない」
と言った形で、最適解が流動的に変化し、プレイヤー自身のプレイスタイル・ツモ運により、思いもかけない状況が生まれる。
これはプレイ中の思考回路で言えば、パズルゲームというよりはローグライクに近い。
今なら、東京ゲームダンジョン10の会場で、作者の方が「遊んでみて、このゲームのジャンルがなんだと思うか聞いてみたいです。」と仰ったのも分かる。
本当に既存のジャンル区分の枠に収まらないゲームだ。
リトライが容易で、中毒性を加速するUI
このゲームの持つ、試行錯誤の楽しさに拍車をかけるのがUIだ。
プレイ中は常に、
- 一手戻す
- 初期状態に戻す
をワンクリックで行えるので、気軽に試行錯誤できる。
ドワーフちゃんがやられてしまってもゲームオーバーにはならず一手前の操作の時点からやり直せるので、とにかく気楽なチャレンジが可能だ。
それに加えて、ドワーフちゃんの移動速度はスロー再生(0.75倍速)も早送り(2倍速・4倍速)も可能なので、
「とりあえず動かしてみて、この作戦がうまく行くかどうかテストしてみる」
「どこが原因でクリア失敗したのかを、じっくり見返す」
といった、リトライしながら突破することを容易にしている。
密度の高い思考と簡単なリトライが噛み合い、延々とクリアのためにルートづくりをしてしまう中毒性を生み出している。
ほんのり嬉しいロマン設定
このゲームのオプションには、ロマン設定なるものがある。
なんと、揺れを設定できるのだ。何のとは言わないが。
しかも、X軸やY軸の挙動に加え、左右の角度差から持続時間まで、7種類にも及ぶ豊富な項目で揺れをカスタマイズできてしまう!!
通常のオプションがBGM音量,SE音量,スクリーンサイズの三項目なので、実に二倍以上である。
ちょっと力を入れすぎてやしませんか……
成長時やショップ画面、セーブ周りのUIが分かりづらいのが難点
ここは、ちょっと気になったこと。
- 成長時やショップ画面で現在HPや手持ちのアイテムが背景に行ってしまって見づらいこと
- セーブをどうやればいいのか分かりづらいこと
この二点に関してだけは、気になった。
テンポの良さと思考密度の深さがウリなゲームなだけに、今のドワーフちゃんの状態を見て成長方針を考えにくいのはちょっと面倒。
セーブに関しても、ステージ攻略中のUIに「諦める」ボタンがなまじあるため、「リタイアすることはできても、セーブすることはできないの?」となってしまった。
まとめ
パズルゲームに強化・リソース管理要素とランダム性を組み合わせ、既存のジャンルの枠にとらわれない遊び心地を生み出した作品。
シンプルさと思考密度の高さ、リトライの容易さが、極めて高い中毒性を生んでいる。
一部UIで遊びづらい面も感じたものの、作品全体を通して悩ましいジレンマを最初から最後まで味わえるゲームだった。
というわけで、『ダンジョンデストロイヤー』の紹介でした!
攻略記事ではこのゲームの独特のリソース管理構造も含めて分析してみたので、そちらも気になったら是非読んでみてください!
第六回のIndieGame100では、Crimson Dusk様作の『炎姫』を取り上げる予定です。
プレイの進捗は筆者のxでハッシュタグ #IndieGame100 にて呟いていきます!
それでは、良きゲーマーライフを!!
最後まで読んでくださって、ありがとうございました!!!
前回のIndieGame100
【いのちのつかいかた】全エンドクリアして見えたもの~『古典のその先』に踏み込んだ作品~IndieGame100 #4 – Kaburanai Games
Xでは、記事更新の告知と、プレイ中の感想を叫び散らかしています。
ブログ記事の1.3倍くらいうるさいです(当社比)
※ゲーム開発者様へ※
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