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リリース前の作品に焦点を当て、作品紹介・制作者様インタビューを行う企画、『リリース前語り』をこれよりスタートするッッ!
この企画では、プレイ体験・設計意図・開発の根っこにあるものをガシガシ掘り下げていく。
初回の注目作品は『ダンジョンボンバー』、お相手の制作者様は『作っちゃうおじさん』だ。
刮目せい!!
今回のお相手:作っちゃうおじさん

代表作:うさぎパズル・アカズノハコ・アゲアゲ君シリーズ、マルバツゲーム進化論など
作っちゃうおじさんゲーム置き場【スマホ・PCで遊べるブラウザゲームサイト】
ほっとフクロウ(作っちゃうおじさん) (@hothukurou) / X
この企画では、
「僕は……この作品を思い切り語ってもいいんだ!こんなに嬉しいことはない!!」
な感じの空気を作り、界隈の語りのハードルを下げることを目論んでいる。
「特に俺から語るモノはないぜ!」という方も安心して欲しい。
作品を体験してインタビュー記事(リンクはこちら)も読めば、それは言葉を発さずとも語りの場に参加しているも同義だ。
俺も君も、語りの場を共有している。だから、俺たちは戦友だ。いいね、ブラザー&シスター?
……ちなみに、今回の顔合わせにおいて
「ところで、『作っちゃうおじさん』さんって、表記する時『作っちゃうおじさん』ですか?『作っちゃうおじさんさん』ですか?」
と、極めて間抜けな質問をさせて頂いたところ、
「さんは一回が望ましいですが、規則があるなら合わせます。」
と、クレバーかつスマートなご返答を頂いた。
そんな経緯もあり、以下では敬称を略して『作っちゃうおじさん』と表記させて頂く。
ダンジョンボンバーの概要
ジャンル:爆破連鎖ローグライト
デベロッパー:TUKUCHAU-OJISAN
パブリッシャー:TUKUCHAU-OJISAN
開発国:日本

形式としては、ステージクリア型のパズル。
爆弾を設置して爆破させ、敵やブロック、コインをまとめて薙ぎ払い、ダンジョンを掘り進んでいく。
爆破したコインで新爆弾の獲得や合成が可能な他、敵を一定数爆破することで特殊能力も獲得でき、どんどん爆破してはパワーアップを繰り返していく。


連鎖爆発させると敵に与えるダメージが増加していくため、うまく連鎖が決まると画面中のブロックを消し飛ばしつつ、敵に大ダメージを与えることができ、爽快感が非常に高い。

実のところ筆者はあまりパズルが得意ではないのだが、「とにかく爆弾の範囲とダメージを強化する」ことに集中するだけでも、予想外の爆発連鎖が何重にも巻き起こり、気持よさに酔って試行錯誤しているうちに体験版をクリアできた。
ニュージャンルでありながら、「遊びの導線」が極めて分かりやすい
本企画をスタートするにあたり、作っちゃうおじさんと作戦会議を行った際、
「前作の『ダンジョンデストロイヤー』の反省を活かし、分かりやすいゲームにすることを狙った。」
とのお言葉を頂いた。
で、実際に体験版をクリアするまで遊んだところ、
「何ができるゲームなのか?が一言で言えるように設計されている」
というふうに感じた。
このゲームで行うことは「爆発を連鎖して、強い爆弾・ビルドを作って、もっと爆発を連鎖するのを楽しむ」と、一見シンプルだ。
このシンプルさが、極めて強い遊びやすさを生んでいる。
と言っても、この言葉だけで納得する読者はいないはずだ。
ちょっとばかし、図を使って前作の『ダンジョンデストロイヤー』と比較してみよう。

前作の『ダンジョンデストロイヤー』をプレイした時(リンク)、私はゲームの遊び方の導線が下図のようになっていると感じた。

壁を破壊・生成するという基本操作の第一レイヤーを通し、
- モンスターを倒してレベルアップする
- アイテムを回収する
- モンスターを避けて体力を温存する
- 道中のハートとコインを回収する
というゲーム内目標である第二レイヤー達成を目指す。
その結果が第三の報酬レイヤーである、
- 体力上限の上昇
- より強いモンスターを倒せるようになる
- 体力の節約・回復
- 特殊能力の獲得
へと向かい、得られた報酬が第一、第二レイヤーへと還元される。
私がこの図を描き起こしてみて感じたのは、
- 第三レイヤーの「より強いモンスターを倒せるようになる」からの導線が第二レイヤーの「モンスターを倒してレベルアップする」だけに繋がっており、この二要素だけで、ほぼ無限ループしている。そのため、他の各種要素と断絶している。
- 第三レイヤーの「より強いモンスターを倒せるようになる」だけが、報酬として第一レイヤーに還元される要素が無く、『ゲームの核にどうつながっているのか?』が見えにくい。他の第三レイヤーは、第二レイヤーに向かう黄色のラインと第一レイヤーに向かう赤のラインを両方持つ。
- 第三レイヤーの「体力の節約・回復」だけが、直接ゲーム内目標である第二レイヤーに接続しておらず、一個だけ浮いている。
ぱっと見、「複雑かも?」と思われるかもしれない。
実際にプレイすると、この複雑さこそがリソース管理の妙とツモを一心に祈るプレイ感をもたらしていて、中毒性の高いゲーム体験に繋がるのだが……
「一言で何ができるゲームなのか」を説明するのが、やや難しいことは納得して頂けると思う。
インタビュー中に伺った、作っちゃうおじさんご本人のお言葉を拝借すると、
「ダンジョンデストロイヤーはローグライクという要素と、道作りパズルの二つの要素があり、説明が2倍に膨らんでいる」
とのことだ。
ここで、今作ダンジョンボンバーの導線を私なりに描いてみよう。

爆弾で敵・ブロック・コインをまとめて吹き飛ばすという基本操作の第一レイヤーから、
- それ自体がゲーム目的である第三レイヤーの「ステージの進捗度を進めてクリアする」へと直結。
- 第二レイヤーが手段と報酬を兼ねたものとなり、即座に第一レイヤーへと還元される。
……いかがだろうか?
今作『ダンジョンボンバー』の導線が極めてシンプルで、何ができるゲームなのかを理解しやすい構造になっていることに納得して頂けると思う。
気持ちよく爆破すればするほど、たくさん報酬が手に入り、もっと気持ちよく爆破できるようになる。
このシンプルな構造でプレイすると、何が起きるか?
ひたすら爆破しまくって、強化しまくって、さらにもっとドでかく爆破することを目論めば目論むほど、クリアが近づくのだ。
もっと踏み込んで言うと、「より気持ちよく爆破すること」が、「勝利条件」になっている設計だと感じた。
意外なタイミングで流れるメインテーマで麦茶にむせる
本作では、前作『ダンジョンデストロイヤー』のあらすじと、前作と本作の間をつなぐストーリーが見られる。

「おう、ファンサービスか!嬉しいね!!」
と油断して見ていたところ、唐突に流れたメインテーマで飲んでいた麦茶が変なところに入っていってむせてしまった。
妙に演出が凝っていて、しっかり「タメ」を作った後に流れるので破壊力が高い。
飲み込むのがあと三秒遅れていたら、PCを麦茶が襲うところだった。
危なかったぜ……
このメインテーマが生まれた背景には、
「ブロンコビリー奢ってくれたらええよ」
という作っちゃうおじさんの奥様の言葉が絡んでいる。詳細はインタビュー記事でチェックしてみて(リンク)欲しい。
みみっちく考えるな、即興的&戦略的にビルドを構築し、ひたすら爆破連鎖に酔いしれろ
何度もゲームオーバーになりながら体験版をクリアして思ったのは、
「詰将棋のように一手一手を最適化」するより、「ある程度の戦略を持ちながら即興的にビルドを組んでいって、『ぼくのかんがえたさいきょうのばくだん』で一気に爆破連鎖して畳みかける」のが有利だということだ。
確かに、できるものなら緻密に連鎖範囲やダメージ量を計算して爆弾を設置したほうが、有利ではある。そこに関しては間違いない。
だが、一個一個の爆弾をチマチマ敷き詰めるよりも、
- 周囲にコインをばら撒く爆弾のあとに、超広範囲爆弾を置いてコインがっぽり
- 敵の位置によって与ダメージがアップするレリック入手&敵を弾き飛ばす爆弾で敵の位置を調整して高ダメージを狙う
- 回復力と防御力を高めて、ひたすらダメージを相殺しながら爆弾をぶつけ続ける
といったふうに、「運よくツモッた特性や新爆弾を、どう活かしてビルドしていくか?」という方向でバシバシ強化していくと、どうなるか?
徐々に「もっとこのビルドを活かせる特性が欲しい」「もっと強い爆弾が欲しい」という欲望が高まっていく。
前述のとおり、このゲームでは「うまく爆破すること」ではなく、「気持ちよく爆破すること」が、システム上も有利になるように導線が組まれている。
もっと強くなりたいなら、答えは一つ。
もっと気持ちよく爆破するのが最短ルートだ。
このゲームで勝つ奴は賢い奴なんかじゃない。気持ちよく爆破した奴だ。
進化を続ける遊びの導線
去る2026/4/25に川越で行われたゲームイベントの『ぶらり川越GAME DIGG2』にて、作っちゃうおじさんが出展なさるとのことでご挨拶に伺い、最新バージョンの試遊もさせて頂いた。

UI面やプレイヤーの意識誘導の面での大改修が行われており、さらに「気軽に遊べる」方向へと進化していた。
具体的には、
- ドワーフちゃんのフキダシがパズル画面に被らないようになったり文字サイズが大きくなったりして、視認性が向上
- 爆弾の合成システムが、コイン獲得をトリガーとするものではなく、ダンジョン内の合成窯を爆破することをトリガーとするものへと変更
の二点だ。
特に、2の合成窯に関しては根本的にプレイ感が変わり、よりパズル要素が抑えめになって爆破による爽快感を強める方向が明確になっていた。
なぜこの形になっているのかを作っちゃうおじさんに伺ったところ、
「育成リソースの消費先が爆弾獲得と爆弾合成の二者択一となる強化システムだと、合成システムを一度も使わないプレイヤーが一定層いた。」
「合成システムの存在へと、自然にプレイヤーを誘導できるように、ダンジョン内の合成窯を爆破して爆弾合成するギミックに変更した。」
とのこと。
さらには、
「今回の試遊の様子を見ていると、合成窯の出現頻度が少なく感じたので、もうちょっと増やす方向で調整したい。」
と、会場でのフィードバックをもとにさらなる改良を加えていくつもりであると仰っていた。
インタビュー記事(リンク)でも触れたが、作っちゃうおじさんのフィードバックの吸収・活用に貪欲な姿勢をまざまざと感じた。
「ぼくのかんがえたさいきょうのばくだん」でドッカンドカンしたい方へ!!
予想外の連鎖をする爆発連鎖に、運を味方につけるビルド構築が合わさり、豪快に気持ちよくプレイできる爆発パズルゲームとなっている。
とりわけ、自分だけのビルドを活かした無双プレイを楽しみたい人におすすめしたい。
こまけぇこたぁいいんだよ! シスター!ブラザー!
お前の最強爆弾を見せてみろ!!
というわけで、『ダンジョンボンバー』の紹介でした!
作っちゃうおじさんにインタビューもさせて頂いたので、作者様の頭の中を覗きたい方はそちらも是非ご覧ください。(リンク)
それでは、良きゲーマーライフを!!
最後まで読んでくださって、ありがとうございました!!!
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ブログ記事の1.3倍くらいうるさいです(当社比)
※ゲーム開発者様へ※
試験企画『リリース前語り』では、デモ版・アーリーアクセス版の実際のプレイ体験をもとに、作品が「なぜ」面白いのかまで踏み込むことを重視して、リリース前の作品の紹介記事とインタビュー記事の作成を行っております。
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